Danièle Moore (2010) Multilingual literacies and third script acquisition: young Chinese children in French immersion in Vancouver, Canada, International Journal of Multilingualism, 7:4, 322-342

(文献原文:英語)

「多言語リテラシーと第三スクリプト習得:カナダ・バンクーバーにおけるフレンチイマージョン教育を受ける中国人の子供たち」

所見:

カナダ・バンクーバー地域における多言語リテラシーに関する研究。フランス語が英語に並び公用語であるカナダ。英語が主要な社会的言語であるバンクーバー地域でのフレンチ・イマージョン教育に参加する中国人の子どもによる第三スクリプト(書記体系)の習得に関して、複言語主義などを応用した研究。ヴィゴツキーの知識獲得の方法としての描写に関する理論等を参考に、子どもがいかに異なる言語間でその書記体系における知識を想像力豊かに移行するかに関する考察は、発達心理の側面から見ても大変に興味深い。構成主義の観点から、子供達がどのように言語を習得していくのか。また、それに付属する親が抱く様々な社会的価値観などの考察が、子どもたちの言語習得とアイデンティティ構築との関係を絶妙に浮き彫りにしている。

*日本語の表題は、英語原題からの公式な訳ではありません。